2008年12月06日

フランスの裁判所、アダルトアニメを児童ポルノと認定

 日本のアダルトアニメを輸入販売したフランスの業者が、児童ポルノを禁止する刑法に違反したとして有罪判決を受けていたようです。

 この事件で問題になったのは、『淫獣聖戦』シリーズに登場する「鬼麿」という登場人物。設定では18歳であるものの、見た目は子供。その「鬼麿」が作中で成人女性と性的関係を持つことから児童ポルノと判断され、輸入・販売業者たちが起訴されました。

 『淫獣聖戦』を観たことはありませんが、以下のファンサイトで作品の概要を知ることができます。「鬼麿」の画像もあります。

天津姉妹ファンの部屋(年齢確認あり)

 第一審・控訴審ともに有罪としたため、業者は上告。民事および刑事事件を管轄するフランスの最高裁判所、破毀院は2007年9月12日の判決で『淫獣聖戦』を「クロ」と判断し、業者たちへの1500ユーロの罰金刑が確定しました。

 児童ポルノに関するフランス刑法の条文と、破毀院の判決を以下にご紹介。専門家ではありませんので、誤訳が多々あるかと思いますが、なにとぞご容赦。


*まずは児童ポルノを禁止するフランス刑法の条文です。
 かなり厳しいです。所持だけではなく、「習慣的な」閲覧だけでも罰せられるようですが、「習慣的な閲覧」ってどうやって判断するんでしょう?

<フランス刑法227-23条>

 販売を目的として、未成年者のポルノグラフィックな性質をもった画像または表現物を撮影、録画、配信する行為は、5年の禁固刑ならびに75000ユーロの罰金が科される。
 同様の画像または表現物を、提供、閲覧可能、配布、あるいはいかなる方法であれ、これを輸入または輸出、あるいは輸入させるまたは輸出させる行為も、同様の刑罰が科される。
 未成年者の画像または表現物を、不特定の一般人を対象として配信するために、電子コミュニケーションネットワークを使用した場合、7年の禁固刑ならびに100000ユーロの罰金が科される。
 前項に規定される犯罪の未遂にも同様の刑罰が科される。
 同様の映像または表現物を利用するために習慣的に(habituellement)一般向けのコミュニケーションサービスを閲覧する行為、またいかなる方法であれ、同様の画像または表現物を所持する行為は、2年の禁固刑ならびに30000ユーロの罰金が科される。
 本条の規定する違法行為が、組織的になされた場合、10年の禁固刑ならびに500000ユーロの罰金が科される。
 本条の規定は、身体的外観が未成年者のものである人物にも適用される。但し、その人物が画像を撮影または録画した日に18歳である場合には適用されない。


*次に破毀院判決です。

<2007年9月12日破毀院刑事部判決(抜粋)>

 刑法227-23条の規定する犯罪について被告人の有罪を宣告するにあたり、本判決は、同規定の対象を未成年者を表現するあらゆる表現物に拡大した1998年6月17日の法律を適用し、架空の未成年者を表現し、実写映像を加工した絵や画像のような非実写の画像も、同条文の予定するところに含まれる、と解する。
 本件の場合、ビデオカセット『淫獣聖戦3 ツインエンジェル』[仏題:ツインエンジェル−帰ってきた天空の獣−Vol.3 ]に登場する人物[=鬼麿]は、他の成人の登場人物と比較すると背が低いこと、成人であると推定されるような身体的特徴がないこと、とりわけその表情が非常に低年齢の幼児のように見えるといった点を特に考慮すると、まぎれもなく幼児の特徴を備えている。
 セドリック・Xは、日本で製作された映像作品をフランスに輸入し、その翻訳と商品化を行い、業者にこれを販売した。SEE BD社の制作プロデューサー、クリストフ・Y、および同社代表、カトゥリーヌ・Zは、同商品を顧客に販売した。
 エロティックかつポルノグラフィックな映像やアニメーション作品がきびしく規制されているという状況を考慮すると、同ビデオカセットで表現されている映像の詳細な性質を知り得なかった、という主張だけでは、上告人たちはその刑事責任を免れることはできない。
 問題の犯罪に関連する犯意および物証に関するあらゆる要素を考慮すると、控訴院判決は正当であり、上告人が主張する欧州人権条約違反には当たらない。従って上告人の主張は斥けられなければならない。
 上告を棄却する。


*以上の破毀院判決で、1500ユーロの罰金刑が確定しました。

 以下は、破毀院判決の中に引用されていた控訴院(日本の高裁にあたる裁判所)判決の抜粋です。控訴院判決からすると、起訴された業者たちは以下のような弁明を行ったのではないかと思われます。
  @鬼麿は、日本のマンガの文法に従って「スーパーデフォルメ」された成人である。
  Aシュトロンフ(下記参照)のパロディ版ポルノは児童ポルノとされていないのに、淫獣聖戦の鬼麿が児童ポルノとされるのはおかしい。
  B「18歳未満は視聴禁止」との記載がしてあった。
  C作中の設定では、鬼麿は幼児ではなく、18歳である。
 しかしいずれも、見た目が幼児である、という理由で斥けられています。


<2006年6月30日ドゥエ控訴院判決(抜粋)>
 ビデオカセット『淫獣聖戦3 ツインエンジェル』の販売をしたことにより、刑法227-23条が規定する犯罪について被告人たちは有罪である、と宣告した2005年7月5日のカンブレ地方裁判所判決を、当控訴院は是認する。
 刑法227-23条を修正する1996年6月17日の法律17条が施行されて以後の準備書面からすると、立法者は、未成年者のポルノグラフィックな表現物を規制しようとしていたことが明らかである。この表現物には、ポルノグラフィック的ではなかったとしても、その描き方からして未成年者への非暴力的な性的不法行為を示唆する画像も含まれる。従って、以前は児童の絵、写真、映像の表現物と定義されていた未成年者の画像が、修正されて以降、未成年者を対象としたあらゆる表現物に拡大されることになった。
 本件の場合、ビデオカセット『淫獣聖戦3 ツインエンジェル』に登場する人物は、他の成人の登場人物と比較すると背が低いこと、成人であると推定されるような身体的特徴がないこと、とりわけその表情が非常に低年齢の幼児のように見えるといった点を特に考慮すると、まぎれもなく幼児の特徴を備えている。
 証人尋問および口頭弁論においてなされた、日本のマンガの登場人物の描き方に関する主張は、本件においては意味をなさない。なぜならば、問題の人物である鬼麿王子(le prince Onimaro)が、スーパーデフォルメ(SD、super déformé)されているという事実を必ずしも熟知しているわけではないフランスの一般人に対して、ビデオカセットが販売されたからである。
 セドリック・Xの主張においては、子供向けの有名なバンド・デシネ、シュトロンフ[注1]をポルノグラフィに流用したケースのような、見た目が幼い登場人物の、他の作品における描き方との比較がなされた。しかし、この主張も採用することができない。シュトロンフのような小さな人物は、幼児の身体的特徴を一切備えていないからである。
 同様に、「18歳未満は視聴禁止」との記載がジャケットにされているが、本作品を商品化し、販売した者たちは刑事責任を免れることはできない。なぜならば、ポルノグラフィックなシーンにおいて、実写、ヴァーチャルまたは架空のものとして演出されている人物が未成年者の容貌を備えている限り、あるいは幼児として表現されている限り、犯罪の構成要件を満たすからである。
 本件の場合、このポルノグラフィックなシーンが表現されていることは間違いない。なぜならば、幼児の容貌を備えた人物が成人女性と性的関係を持つ表現がなされているからである。
 口頭弁論においてセドリック・Xが『淫獣聖戦3』で描かれている架空の人物[=鬼麿]の設定について行った説明も、同人物が成年齢に達していることの証明にはならない。なぜならば、この人物の役割とその外見について『淫獣聖戦2』でいかなる説明がなされていようとも、作中における表現はまさに幼児としてなされているのであり、刑法の規制する領域に含まれるからである。
 三人の被告人からは、問題のビデオカセットが常にSEE BD社のカタログに記載されていたことについて、争いはない。証拠書類No.1が示すとおり、顧客が注文すれば常に販売できる状態にあったのである。
 SEE BD社は、1998年6月17日の法律の施行後、2001年に活動を始めている。Kaze社は1995年に活動を始めているが、問題の商品をフランスに輸入したのは1998年6月17日以降のことである。従って、刑法227-23条は問題なく適用可能である。
 Kaze社社長、セドリック・Xは、日本で製作された映像作品をフランスに輸入し、翻訳と商品化を行い、これを業者に販売しており、疑いなく有罪である。
 SEE BD社制作プロデューサー、クリストフ・Yおよび同社代表、カトゥリーヌ・Zは、問題の商品を顧客に自ら販売しており、同様に有罪である。エロティックかつポルノグラフィックな映像やアニメーション作品がきびしく規制されている状況を考慮すると、同ビデオカセットで表現されている映像の詳細な性質を知り得なかった、という主張だけでは、控訴人たちはその刑事責任を免れることはできない。
 

<訳注>
注1:ベルギーのバンド・デシネに登場する青い肌の小さな生き物。英語圏ではスマーフ、仏語圏ではシュトロンフ。以下のwikipediaの記事を参照。英語版に画像があります。誰しも一度は見たことがあるはず。
オフィシャルサイト
Wikipedia日本語版記事


参照先
刑法227-23条
2007年9月12日破毀院判決
posted by administrateur at 06:47| Comment(17) | TrackBack(0) | Anime en France | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
復活したのですか?
私生活に影響ないなら、また更新して下さい
Posted by at 2008年12月08日 02:04
これ、すごく問題になるのでは……

アニメ絵のキャラが18歳未満に見えるか否かなんて不毛な話が裁判に関わるとは、児ポ法改悪後の未来の姿がここにでてる。

外人の目から見れば18歳以上の奴なんか日本にいないだろ。
これで外人から見ても間違いなく大人に見える濃ゆいキャラばっかりになったらかなわんなあ。
Posted by at 2008年12月08日 02:49
たまごっちが有害とか言ってた連中と同じで
倫理どうこうより気に入らないだけだろう
反論する気も失せる
Posted by   at 2008年12月08日 12:06
のちのち禍根になりそうな判例ですね…

※更新再開うれしいです。
Posted by at 2008年12月08日 19:10
実態の或る存在する児童と
絵に描いたキャラクターを同列視して
思考するとは、こんな実態のある
存在する児童を侮辱した思考があるのだろうか?

これ、今、初めて知ったんですが
向こうでは話題になってなかったんですか?
Posted by ナイアガラ at 2008年12月08日 22:48
またしばらく更新はできないと思います。申し訳ありませんがご寛恕下さい。

以下の仏語版Wikipediaの記事を見ていてたまたまこの判例の存在を知りました。 http://fr.wikipedia.org/wiki/Lolicon

散見した限りではフランスで話題になっているようには見えません。影響は大きいと思うのですが・・・。
Posted by administrateur at 2008年12月09日 20:33
興味深い記事ですね。

フランスの刑法だと虹惨事関係なく未成年が出てると有罪になるのかな?
だとしたら元々違法なわけでどうしようもないですね。
日本はまた事情が違うのでそれほど気にしなくていい気がします。
Posted by at 2008年12月10日 09:26
日本でも児ポ法改正の折に表現物を含むか否かという議論がなされています。なので明日は我が身という感じがしますね・・・。
Posted by at 2008年12月10日 12:48
オマエラが老け過ぎなんだと何故気付かない・・
自分達の考えが全ての白人らしい裁きですね。
Posted by ^^゙ at 2008年12月16日 19:25
復活おめでとうございます。

二次元を児童ポルノ扱い
被害にあった児童は映像内の架空人物なのに…
Posted by at 2008年12月17日 23:39
フランスではちょっと前に全編幼女ヌードだらけの「エコール」という実写映画が製作されてます。

この作品は性的な暗喩によって構成されており、古典的なポルノグラフィとして分類することも可能といっちゃ可能です。

こっちはお咎め無しで、ポルノアニメは有罪って変な話ですよね。
Posted by   at 2008年12月19日 02:13
日本が核を持たないからこういう舐めた判決を出されるんだ。
日本が核を持ってれば、フランスごとき小国が日本に遠慮しないはずがない。
あとあの猿コジという間抜け面の大統領が反日だというのも影響してるんだろうな。
Posted by   at 2009年01月08日 23:52
まあ日本人にしてみたら変(異常)な話ですが、
児童への性犯罪が日常的なフランスなら仕方が無いかも…
Posted by   at 2009年01月14日 15:53
誤訳御免ってサイト

他サイトのネタ泥棒や、他サイトのネタ潰しやっている

最低のサイトだね。

しかも、それを指摘したら書き込み規制する有様。

やっぱ、泥棒なんてする奴はゲスな品性なんだね。
Posted by at 2009年04月25日 21:44
ネタ泥棒とネタ潰しを指摘したら、

書き込みを削除、書き込みを規制。

誤訳御免はゴロツキ、チンピラ、泥棒が

運営するサイトです。

海外反響を掲載する他サイトにとって、

敵となるサイトです。

その上、言論統制をする北朝鮮のようなサイトです。

そして、その信者は真正面からネタ泥棒やネタ潰しの正当化をせずに、反論者を罵倒する民度に低い人間です。

草薙問題で、鳩山に脅迫電話をかけた連中と同列のクズ人間です。
Posted by at 2009年04月26日 01:21
パクリ注意報

パクリ注意報


パクリ野郎と思われる奴が、

また!!また!!また!!!

やっちゃいました!!

みなさん、警戒してください!!


2009-01-19
ジャムパン此処に有り!  ガキ使・ジミーちゃんの英語の海外の反応〜YOUTUBE〜
http://jamkoko.blog23.fc2.com/blog-entry-7.html



2009年05月01日
「笑ってはいけない学校 ジミー大西英語レッスン」の海外反応
http://goyaku.seesaa.net/article/118424926.html



Posted by at 2009年05月03日 00:05
誤訳御免!
http://goyaku.seesaa.net/

↑ここはファンサブ批判や都合が悪い批判のコメントは
すぐ消す言論統制・弾圧糞サイト

以前もファンサブを批判する人に対してどうみてもケンカ売ってる記事かいて論破されると逃げてずっとサイト放置。
その間ずっと自演で擁護コメント。
そして何の釈明もせず恥もなくブログ再開。
シナチョソか朝鮮脳マソコが管理人の可能性大
Posted by   at 2009年05月15日 20:14
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