ぼちぼち出始めた一般のフランス人の感想を、アロシネからご紹介。Kitanofil(北野好き)とかKamenRiderV3とか、凄い名前使ってるな、と。
〜以下、訳。
分布 四ツ星8 三ツ星8 二ツ星3 無星3
平均 約2.8星
(7月15日現在のもの)
chen ★★★★
この映画は素晴らしい。背景描写は滅多に見られないクオリティだ。グルノーブルでこの映画を上映している映画館は、子供向けの上映時間にこの映画を組んでいたことがとにかく残念だ。この映画は青少年向けが相応しく、小さな子どもはこの映画について大したことは理解できず、騒いでしまう。
djconil ★★★★
とても素晴らしい物語だった。アニメーション映画好きにお奨めする。がっかりすることは無いと思う。絵はとても丁寧で、物語にとてもリズム感がある。
Rahajason_nanouh ★★★★
気に入った!!!!物語と物語の見せ方が大好き。とてもよく出来た映画!!
Kitanofil ★★★★
この映画は、ジャパニーズ・アニメーションに敏感な人だけではなく、素晴らしいひと時を過ごしたい人すべてにお奨めするしかない、純粋さの大饗宴である。少ない予算ながら映像は極めて丁寧。貞本のキャラクターデザインはいつものように魅力的で、表現力に富み、特に丁寧なアニメーション(唯一の難点は背景に登場する人物のアニメーションだが、面白さを損ねるものではない)によって引き立てられている。背景も見事で、透明で暖かい色の選択がこの映画のトーンにぴったりと一致している。(ピアノ曲だけがしばしば流れ、楽器は多用されないという意味で)音楽は比較的シンプルであり、映画の叙情的なシーンを際立たせている。吹き替えに関しては、真琴の声が本当にぴったりなので、オリジナル版をお奨めする。それぞれ意見は異なるだろうが、フランス語吹き替え版は悲しいかな合っていない。映画自体に話を戻すと、その爽やかさと純粋さに全く納得させられるし、少々オリジナリティには欠けるがそれを全く感じさせない(原作小説は既に古い)、と言わなければならない。この映画では、思春期というテーマがユーモアと軽妙さを交えて扱われ(真琴という登場人物にはほんとうにホロリとさせられる)、時間移動によって引き起こされる状況の面白さは評価に値する。この映画を見た後、この映画と共に分かち合った純粋な真実とノスタルジックな雰囲気の時間がいとおしくなる。純粋なちょっとした傑作。
Kh-san ★★★★
凄く気に入った!丁寧なアニメーション、魅力的な登場人物、話の展開・・・すべてがいい。貞本スタイルが大好き。彼の描き方には度肝を抜くような純粋さがある。
RIFTvp ★★★★
驚異的!それがこのアニメーションを言い表そうとして心に浮かんだ最初の言葉。背景はあり得ないくらい美しいし、登場人物はあまりに魅力的だし、物語も非凡の出来。思わず腹を抱えて大笑いしたり、涙がこぼれたり。『時をかける少女』はあなたを楽しくトリップさせてくれる。迷わず映画館に走れ!
KamenRiderV3 ★★★★
時間を移動する能力を巡って悪戦苦闘する女子高生の日常の中の、みずみずしくも可愛らしい冒険。カルト的作品の『恋はデジャ・ブ』[=1993年米・原題Groundhog Day]を連想したけど、冷笑的では無くより魅力的な作品であり、『時をかける少女』は、低予算でも素晴らしいものを作ることができる、ということを証明しているアニメーションのちょっとした傑作の一つだ。うわべだけで中身のない『シュレック』とはまったく異なり、『時をかける少女』はまさにこの初夏に相応しい長編アニメ。
Rukawa ★★★★
先ず指摘することができるのは、背景の細やかさだ。あぁなんと綺麗なことか。キャラクターデザインは貞本だが、私が気に入っているのは彼が描き出すことのできる人物の多様さだ。真琴はエヴァンゲリオンや.Hack//Signの登場人物と容姿的にまったく似ているところが無い。豪華な背景と完全に調和しているのは、音楽が非常に素晴らしいことも手伝っている。この映画の、[物事を]修正するために同じことを何度もやり直すというテーマは、『恋はデジャ・ブ』に少し似ていると思った。[この二つの映画の]コンセプトはほとんど同じだが、真琴がやり直そうとして次々に繰り出す行動が、現在に影響を及ぼし状況を修正してしまうという点は異なる。完璧なことなど無いし、この先もあり得ない、ということがこの物語の教訓であろう。彼女は、自分の行動に関して時に良心の呵責に苛まれることさえある。しかしながら、この時間移動にだけ注目してしまうと、この物語の素晴らしさを見逃してしまうということに気付かされる。
ColonelDawa ★★★☆
さて、私の批評は少し間違ってるかもしれない。1時間38分のうち、四分の一は寝てしまったから。他の人が言っている様に、この映画は詩情と優しさが溢れる良い作品だ。映像は丁寧で、マンガの世界ではいつものことだが、現実と非現実の間で揺れ動く物語に心を奪われる。しかしながら、私の評価の度合いはそれほど高くない。この映画を、マンガが好きな人にも、好きでない人にも薦めている人がいる。しかし私は率直に言って、顔より大きな口や、甲高い叫び声に不慣れな人はこの映画を気に入ることはないと思う。私は気に入ったけど。
nougiat ★★★☆
日本のアニメーションの信者は、新鮮な作品として受け止めただろう!ある能力を与えられた向こう見ずなヒロイン、彼女に密かに恋する二人のクラスメイト、そして途方もない脚本(時間遡行)。思春期、高校時代、秘められた想いといったことが美しく思い出される。日本のアニメーションを評価する君、映画館に走れ!
Sorata ★★★☆
ある映画雑誌が、このmanga(*訳注)は宮崎の高みには達していない、と評しているのを見たとき、私はなぜ他のあらゆる映画とこの監督の傑作を比較する必要があるのだろうと不思議に思った。私にとっては、それは批評ではなく、mangaに関して全く無知であるということだ。確かに『時をかける少女』は宮崎作品ではないが、だからと言って素晴らしくないわけではない。細田守はこの作品において、ユーモアと感動溢れる素晴らしい冒険を我々に見せてくれた。はっきり言えば、mangasが好きなら見逃すな、ということだ。前作よりも良い作品なのだが、この監督にこの調子で製作し続けてもらうために、三ツ星を進呈する。
*訳注:多くのフランス人がmangaという言葉を、日本で言う漫画とアニメ両方を意味する言葉として使っています。例えば、amazon.frのアニメDVDコーナーの名前は、mangaです。
Rivalden ★★★☆
私が期待していたことを達成してくれた、楽しい映画。一日のつらい仕事を終えて、この映画に私は癒された。視覚的なクオリティもアニメーションも宮崎の水準には及ばないし、また、良くできた脚本にも大きな驚きがあるわけではない。しかし、真琴とその友達の物語には魅入られてしまう。この物語は、(一日を完璧に過ごすために過去に遡りたいとは思ったことのない)我々自身のノスタルジーを呼び起こしてくれる。そして苦く甘いラスト。夏の香水のような、少し甘ったるくもうっとりとしてしまう、軽やかな映画。
EricDebarnot ★★★☆
『時をかける少女』は、(雑誌Les Inrockuptibles[=ロック専門誌]が指摘していたように、クリス・マルケルの『ラ・ジュテ』[‘’La jetée’’=1962年仏]に少し似ていて、何もおこりそうにない、あるいは大して何もおこりそうにないイメージの登場人物の妄想という)主なテーマを、(高校生にありがちな葛藤の中で、友情はいかにして恋に変わるのかという)ありふれた思春期に関する軽妙なタッチの記録の中にまとめ、そして少し押し込めすぎた、うわべだけの映画である。軽妙なロメール風恋愛遊戯の中で我々の忍耐は切れかけ、非常に洗練されていながらも少し無個性的なグラフィックによって一段と引き立つ、あまりに酷い「裏表のある性格」にうんざりさせられるだろう。従って、タイム・パラドックスを使って一時間も続く「楽しいお遊び」の後に、細田が死と悲劇を我々にぶつけてきたことで、より一層驚きと感動が強くなったと思われる(日本のアニメの神髄はその監督たちにあるのだ、ということを再確認させられる)。結局わざとらしいハッピーエンドで感激が冷めてしまったのは残念だ・・・。
minifilm ★★★☆
時間移動をしたい、過去が目的地の電車に乗りたい、未来を見通したい、と思ったことのない人がいるだろうか?「もし出来ることなら」、物事を変え、困難をかいくぐりたい。この映画は、子どものころのそんな夢を、ユーモアと優しさをもって蘇らせてくれる。パステル調のちょっとしたマジックを見せられる。
zeloss ★★★☆
軽率な比較はやめよう。そしてこの映画をありのままに批評しよう。つまりこの映画は、とても素晴らしいひと時をもたらしてくれるさわやかな映画だ。演出は全く的確で、貞本のキャラクターデザインに支えられて、熱のこもった表現がなされている。佳境に入るのが少し遅いものの、時間を繰り返し遡行したお陰で、最後には実に楽しいひと時が用意されている。そして、出来事を操作しようとするヒロインが不測の事態に遭う様子を堪能することになるのだ。映画館を出て、時間を遡ろうと階段から飛び降りたくなる最も素敵な映画の一つだ。
zuluko ★★★☆
『時をかける少女』は同時に楽しく、感動的で、しかもハラハラさせられる素晴らしい冒険映画だ。マッドハウスはもっと丹念で豊穣な背景をいつも見せてくれるとは言え(『東京ゴッドファーザーズ』、『パプリカ』)、『時をかける少女』の映像は美しく、アニメーションは流麗で、素晴らしいキャラクターデザインもあって極めて面白い。この物語によって子どものように興奮させられる。この映画は、特に時間を跳躍した後に真琴が再登場する際の驚くべきギャグの連続があり、何より大いに笑わせられる素晴らしいコメディなのであるが、一方で、時間移動によって周囲の人々にもたらされる深刻な結果と、恋愛関係にもたらされる時に容赦の無い変化も見ることができる。『時をかける少女』は、友情あるいは正に恋愛にまつわる、人間的な感情を巡る映画でもある。我々の心を夢とほろ苦さで一杯にしてくれる素晴らしい物語だ・・・。
jesjer ★★☆☆
このアニメーション映画は楽しい。話は面白いし、グラフィックも悪くない。しかし、ラストが少し長い。音楽は心地よいし、登場人物も魅力的。
Regbar ★★☆☆
十分愉快な映画であり、観客は映像とパステル調の背景が音楽と素晴らしく調和する詩的な世界に引き込まれる。脚本が少し息切れしてしまっており、また、ラストになるまでがあまりに長過ぎるという点を除けば(この映画は15分短くすることも出来ただろうに)、全体としてはある程度成功している。
chbilly ★★☆☆
日本のアニメーションの名に相応しい素晴らしい版画。だが、脚本は深みを欠き、イライラさせられるシーンがある。ジャパニーズ・アニメーションの愛好者なら喜ぶだろうが。
arthur78 ☆☆☆☆
脚本が少し貧弱で、話のリズムがあまりに遅いため、最初の素晴らしい着想に対する興味が大いに失せてしまう。
tibo677 ☆☆☆☆
本当にがっかりさせられた。この映画のクオリティが高いのは明らかだが、既に見たことのある印象が本当に強く、楽しさを減じてしまった。
greg24 ☆☆☆☆
私はこのジャンルのファンだが、既視感のある作品だ。宮崎作品と比べて、数年後の作品なのに何も新しいものが無い。
〜以上、訳終わり。
参照先
【関連する記事】