2007年08月08日

フランス人が語るアニメと禁断の愛

 Animekaのフォーラムから、「日本の変な風俗」と題されたスレッドを抜粋してご紹介。

 アニメに触発されてフランス人もいろいろと考えるところがあるようです。それを読みながらこちらもいろいろと考えさせられます。

 いずれにせよ、ある国とある国を比べて、どちらが進んでるとか、どちらが遅れてるとは、一概には言えないとは思います。

 それから、自分たちが属しているカテゴリー(民族とか、性的指向とか)の権利擁護のために、そのカテゴリーを主張・強調しすぎると、かえって違和感を持たれかねない、ということはフランスも同じようです。


〜以下、訳。

日本の変な風俗


Lilu
 私は『グラビテーション』に夢中になったばっかり。「凄く」はないけど、良い出来。
 むしろ面白い部分もある。
 この作品は、二人の若い男の恋愛の話で、他の作品と同じくらい感動的。
 [日本の]アニメは、ありふれているかもしれないけど、様々な欲望に関するテーマが扱われているところが凄いと思う。
 [アニメで扱われる]テーマは、フランスでは当然重要な問題とされたり、政治的に正しいとされたり、あるいは、反社会的だとか挑発的な話題とされるかもしれない。
 アニメにはたくさんの「ホットな」テーマが盛りだくさん。同性愛、近親相姦、服装倒錯などなど・・・。
 こういう問題に関して、我々[フランス人]が思考停止しているのか、あるいはアニメが変なだけなのか?
 個人的には、アニメは人間の欲動をよく理解していると思うんだけど。

metallord
 俺はアニメが人間の欲動をよく理解しているとまでは言えないと思うが、[日本の]道徳規範は[フランスの道徳規範とは]まったく異なるから、当然アニメが人間の欲動を[フランスとは]違ったやり方で扱っているとは言えると思う。おそらく日本の道徳規範は[フランスより]数多いので、多かれ少なかれなんらかの形で道徳規範に違反する機会がより一層多いのではないか。
 日本の伝統では、主人公は健全な思想を持った、活動的で感受性に富んだ存在であったり、また、ある意味で真の人間として完全に「目覚めた」存在であり、自分の感情についてや自分がすべきことについて自問することに時間を費やしている・・・。そのことによって主人公は真の人格を持った「生き生きとした」存在になるのだ。だから時にへべれけに酔っ払ったりもする。

rukia kuchiki
 そのアニメ見なきゃ!
 こういう話題を未だにタブーだと考えているのは、私たちのほうだと思う。私は同性愛者にも(友達だし!)、服装倒錯にも、他の人たちにも反対するつもりは全く無いけど。

Konic
 [『グラビテーション』の内容について]教えてくれてありがとう。このアニメを見て時間を無駄にせずにすんだ。ブラックリストに入れとく。
 「男同士の」話に興味がある人は、『闇の末裔』をお奨めする。
 男性の登場人物同士の話も悪くないとは思うが、俺はすぐに見るのを止める。

metallord
 日本に「特殊な」兄と妹の関係、つまり、兄と妹の間のプラトニックな恋愛をアニメが取り上げるのは悪いことではない。例えば『天上天下』がある。だけど、あからさまに近親相姦、レイプ、ハードなSMなどを扱った成人向けのOAVもある。最低最悪のことを最高度に登場させるアニメだ。検閲は視覚的な面だけで、道徳的な面にはされていない。だからやりたい放題だ。
 ・・・一部のアニメは限界を明らかに越えていると思う。 

sayans
 何が問題?[アニメに登場するような]過ちを自分が同じように犯すとは思えない。

wiwi
 近親相姦に関しては、西洋のほとんどの社会がタブーとしている。
 日本でもタブーなのか知らないけど、いずれにせよ我々からすると「変」。
 大雑把に言って、人は、社会化の過程で無意識のうちに内面化された文化に従って考え、そしてその文化に固有の規範とか価値に従って物事を判断する。だからこそ、文化のギャップが生じてくる。
 [この近親相姦の問題も]我々の論理ではなくて、彼らの論理で考えないといけないんでしょうね。

loadrunner
 近親相姦を一番あからさまに扱っているマンガとアニメは、『天使禁猟区』だろう。
 他のアニメやマンガがどうなのか知らないが、この作品は、兄と妹の間の恋愛物語を本当にためらいなく扱っている。天使の中には同性愛の関係にあるものもいる。
 この作品は、我々フランス人の健全な社会では「不道徳」とされる、あらゆることが登場する名作だ。かなり主観的で、表現が抑えられている部分もあるけど、はっきりと近親相姦が登場することは確かだし、それでよかったんだと思う。

wiwi
 「健全な社会」ってのは皮肉?

loadrunner
 同性愛嫌悪が多数派の[フランス]社会と、同性愛者のカップルに結婚を認めない[フランス]政府、正に「健全」だろ?
 近親相姦は、「健全な社会」にせよそうでないにせよ、忌み嫌われ、最悪のこととみなされることの一つだろう。

Konic
 俺は柔軟な方だと思うが、近親相姦のような逸脱を認めるのはちょっと・・・。地球上にはいろんな人がいるけど、家族がこういうことになるのは避けたい。

tite
 同感。同性愛は同性愛。ペドフィルはペドフィルでまた別の問題。同性愛差別は無くなって欲しいけど、近親相姦も無くなって欲しい。

GohanSSJ
 面白い。
 女の子を屈服させようと、巨大な触手を出すような奴らだ。日本の道徳性を疑うよ(笑)。
 それはそうと、近親相姦といえば『恋風』だな。

metallord
 触手解放戦線からの発表です。世界に平和を!
 ・・・日本の友人たちの間でなぜ触手が好まれるのか分からないけど、まぁ、世の中にはいろんな人がいるんだよ。

JassoN [近親相姦の被害者を助けたことがある、という書き込みに対して]
 近親相姦の被害者?その言い方には賛成できない。被害者がいるとしたら、それはレイプに関してであって、近親相姦だからじゃない。ノーマルな性的関係の場合だったら、被害者とは言わないんでしょう?男同士、女同士の性的関係でもそうでしょう?じゃあ兄と妹の間の性的関係には、被害者がいるというわけ?
 立ち直らせるために協力した、って言ってたけど、こういう恋愛のタイプのことをまったく理解してないんじゃない?まるで、同性愛が数十年前まで根絶されるべき病気とされていたのと同じような話。
 近親相姦は、なにより、二人の人間が愛し合っているというだけのこと。それが何か悪いの?

JRD
 近親相姦は、お互いに同意した成人の間のものであっても、西洋ではやっぱりタブーだよ。同性愛はいろんなところに登場し、主張され、保護されてさえいて、当たり前のことになっているのに、その他の逸脱行為は、悪とされ、誤解され、寛容の対象ではない。同性愛以外の逸脱は、まったく認められないことになってるよね。
  アニメには同性愛が頻繁に登場するけど、ひょっとして日本では自分のパートナーの性は[両性でも同性でも]どちらでも良いと考えられているのではないか、という印象を持った。これは日本の現実を反映しているのだろうか?
 同性愛を扱うフランスの映画やテレビ番組は、いつも二つのやり方で同性愛を扱っているように思える。面白おかしく扱うか、同性愛者の権利向上を激しく主張する(militant)かだ!つまり、滑稽なシーンで大笑いさせるか、同性愛者を擁護し「権利」を認めろと言うか、どちらかだ・・・。
 日本人は違う・・・。面白おかしく扱っているけど、同時に全く自然なこととしても扱っている。権利擁護を激しく主張したりはしない。一体、日本社会で同性愛者はどのようにみなされているのだろう?

tite [日本の歴史は欧州とあまりに違いすぎるために比較不能だ、という書き込みに対して]
 まるで他者を宇宙人であるかのように、違いを強調するのはおかしい。
 私は初めてフランスに来た日本人の女の子と一年間ルームメイトとして一緒に住んでた事がある。確かに彼女と自分の間に違いはあったけど、共通点も多くて驚かされた。この経験から自分が学んだのは、フランス人である前に、日本人である前に、コンゴ人である前に、ペルー人である前に、人は皆同じ人間であるということ・・・。

tiptaptoe
 マンガに登場する同性愛の自由の話に戻ると、フランスはヨーロッパの他の国よりも遅れていると思う。多分開放的な異性愛に対する愛着が強いからでしょうね。ドイツ、デンマーク、オランダの映画を観ても、フランスと同じような問題はないみたいで、同性愛も近親相姦も自由に扱っている。
 いずれにせよ、フランスは最悪な国ではないけどね。アメリカ人は我々よりも100倍ピューリタン的だもん!


〜以上、訳終わり。

参照先
posted by administrateur at 21:27| Comment(1) | TrackBack(0) | Anime en France | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
更新再開うれしく思います。

異文化について考察するとき、自国の文化で抑圧されている部分を
他国では解放されているかのように投影して考えるのは
どうしても避けられないんでしょうかねえ…
Posted by at 2009年03月25日 01:39
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/50724326
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。